ハネムーン (中公文庫 よ 25-3)

著者 :
  • 中央公論新社 (2000年7月1日発売)
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本棚登録 : 2909
感想 : 207

奇妙な関係性の物語。語り手のまなかと裕志もそうだが、まなかと今はブリスベンに暮らす実の母、まなかと継母のそれぞれは、違和感はないものの、やはり特殊な関係性にある。物語そのものの内容はけっしてそうではないのだけれど、全体には一貫して孤独感と寂寥感が覆う。また、夢と現実とが等価なほどに語られ、そこには非在感さえもが漂うのである。あるいは透明感こそがこの作品の本質なのかもしれない。特にエンディングの空気感は鮮やかだ。なお、MAYA MAXXの挿画は小学生のような具象と、プロの抽象とが混在したような味わいだ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ☆日本文学
感想投稿日 : 2013年9月25日
読了日 : 2012年10月8日
本棚登録日 : 2013年9月25日

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