カミュの不条理演劇。初演は1945年9月、パリのエバルト座。主演はジェラール・フィリップだったらしい。劇の題材となっているのは、スエトニウスの『ローマ皇帝伝』に語られている第3代皇帝カリギュラ(紀元12年~41年)の事績だ。史実においても限りなく残虐であったらしいが、この劇でもカミュはカリギュラに「私がペストになってやろう」と語らせている。劇は、その徹底したカリギュラの無軌道ぶりに翻弄され、まさに不条理下に置かれる貴族たちを描くが、同時に皇帝の苦悩(それもまた不条理か)をも描き出してゆくのである。
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カテゴリ:
☆フランス文学
- 感想投稿日 : 2013年9月27日
- 読了日 : 2013年9月10日
- 本棚登録日 : 2013年9月27日
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