アルベール・カミュ (1) カリギュラ (ハヤカワ演劇文庫 18)

  • 早川書房 (2008年9月25日発売)
4.19
  • (27)
  • (17)
  • (11)
  • (1)
  • (1)
本棚登録 : 261
感想 : 23

カミュの不条理演劇。初演は1945年9月、パリのエバルト座。主演はジェラール・フィリップだったらしい。劇の題材となっているのは、スエトニウスの『ローマ皇帝伝』に語られている第3代皇帝カリギュラ(紀元12年~41年)の事績だ。史実においても限りなく残虐であったらしいが、この劇でもカミュはカリギュラに「私がペストになってやろう」と語らせている。劇は、その徹底したカリギュラの無軌道ぶりに翻弄され、まさに不条理下に置かれる貴族たちを描くが、同時に皇帝の苦悩(それもまた不条理か)をも描き出してゆくのである。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ☆フランス文学
感想投稿日 : 2013年9月27日
読了日 : 2013年9月10日
本棚登録日 : 2013年9月27日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする