終わった。これだけの大作になると読了の感慨もひとしお。1週間『カラマーゾフ』の毎日だった。さて、物語は4人の死が一種のキー・コードになっている。まず、ゾシマの死―それはロシア正教会の長老制の終り(制度としてではなく、精神的な意味で)だったのだろう。続いてフョードルの死―このことによって、兄弟の、また周縁の人々の本質と実態が大きく浮かび上がってくることになる。スメルジャコフの死―被支配階級の中から生まれてきた新しい階層の、あるいはテロリズムの死だろうか。イリューシャの死―それは愛と未来の希望への希求なのだ。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
☆ロシア文学
- 感想投稿日 : 2013年9月26日
- 読了日 : 2013年4月15日
- 本棚登録日 : 2013年9月26日
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