いやー、面白かった。
映画か舞台を見ているようで。
フランス革命前後であろうパリが目に浮かんでくる。
貴族のきらびやかな衣装から、平民たちの生活、はたまた修道院の尼僧の清らかさまで。
この時代、市井の人達の噂話の情報源はパンフレットだった。
これを利用し、公爵夫人は養女と好色爺の縁談を壊すことを計画する。
公爵夫人と謎の仲介者の間のやりとりが書簡形式で展開されると同時に、パンフレットが覚え書きとして織り込まれる構成が見事。
養女の運命は一体どうなるのか。
執筆者ルフォンに降りかかる災難はどうなるのか。
あっちでハラハラ、こっちでドキドキ。
ただ全部読み終えてみると狐につままれたような気分。
一体どこまでが現実でどこまでが嘘なのか。
誰と誰が実在していたのか・・・。
これもまあ面白いところではあるけれど。
他のレビューでも指摘されるように、翻訳文を読んでるような錯覚に陥った。
なんとなく小田島さんのシェイクスピアのような。
ある意味、オリジナルでここまで書けるってすごい。
佐藤亜紀さん、他にも読んでみよう。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2014年1月26日
- 読了日 : 2014年1月26日
- 本棚登録日 : 2014年1月26日
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