時代小説家にふさわしい小気味よく潔い文章。
飾ることなくおごることなく端正な文章がスッと心に入り込み、時にはユーモアで笑わせ、時にはじっと考えさせられる。
私自身、彼女の作品は一つしか読んだことがないが、このエッセイを読むだけですでに虜になってしまった。
このエッセイの中で木内さんは作品と自分自身は全く別ものであると繰り返すが、それでもなお彼女の人柄の魅力が作品に反映されていると思わざるを得ない。
一言でいえば“粋”だろうか。
飾らない正直で無理をしない姿勢がかっこいいのだ。
木内さんは、人生は風任せ、道草の連続だと言う。
作家になる野望も持たず、人生の目標も掲げてこなかったと。
これだけ聞くと努力もせずに成功をした人のように感じるが、いやいやとんでもない。
努力の人だと思う。
作家になる意志はなかったと言うが、なるべくしてなった人だと思う。
それにしても、“萩の月”にまつわるエピソードはたまらなくおかしかった。
一人大爆笑。
これを読めただけでもこの本を読んだ価値はあった。
是非。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2013年3月23日
- 読了日 : 2013年3月22日
- 本棚登録日 : 2013年3月23日
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コメント 4件
nejidonさんのコメント
2013/03/23
vilureefさんのコメント
2013/03/23
九月猫さんのコメント
2013/03/23
vilureefさんのコメント
2013/03/23