キミが働く理由 (中経の文庫)

著者 :
  • 中経出版 (2011年6月25日発売)
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本棚登録 : 96
感想 : 15
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バイト先の方がブルーに入っている私を気にかけて貸していただけた一冊。

あまり新書やハウツー本は個人的にあまり良い印象を受けてなかったので触れたことはなかった。理由としては一個人の成功例を述べているだけであって一般市民である私が共感できる内容ではないと偏見していたからだ。この本もその通りになってしまっている部分も多々あって少し残念だったのだが、働くことについて考えた内容が一致している部分もあって少し安心した。

やりたいことをすれば良いとあるが、それがいかに恐ろしいかを知らないのだろうか。一番の好きなものを仕事にできることが一番の喜びとする意見があるとする。好きだからこそ見たくないところもある。あるいは盲信的熱狂的になれたら、これこそ"本当に"そうであるならいいのかもしれない。本当に好きなもの、本当に向いている仕事、”本物”と呼べるものがいったいいくつあるというのだろう。
それはこの広い世の中にはそれを成し遂げた人もいるだろう。だが画面の向こうの世界を、紙面に写し出されているだけのものを、信じるほど私の自我は強固にできていない何よりの証拠だった。

たびたび自分の功績を語ると、(私個人は)いけすかなく思えてしまうのは、恐らくこの人が「いい人」だからかもしれない。他人の成功で自分の腹は膨れない。学びはあっても行動に移すのは至難の業だ。しかしこの人も自己の経験から語るしかない。正直で真っ直ぐなのかもしれない。

あるいはここで学びから行動することができたらきっと違うのだろう。思い描いていることはみな同じで、ただ客観視で証明されるものにできたか否で決まる。そこまでのレベルに自身を制御できることにかかっている。ここに書かれているのは当たり前のことだ。
だというのに、どうしてこうも新事実のように胸を打ったのかはわからない。人は忘れてしまう生き物だからだろうか。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: エッセイ・新書・専門書
感想投稿日 : 2013年10月30日
読了日 : 2013年10月30日
本棚登録日 : 2013年10月30日

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