21世紀の脳科学 人生を豊かにする3つの「脳力」

  • 講談社 (2015年5月21日発売)
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感想 : 6
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情動の源泉とは何かを教えてくれる本である。無意識に他者のココロを読むことに如何に影響を受けているか、人とつながる能力「メンタライジング」から解き明かしたものである。
また、人間を動かすお金以外の原動力を「SCARF」Status/Certainty/Autonomy/Relatedness/Fairnessのこともロックの言葉の引用も興味深い。特に公平性の問題は根深い。他者を等しく扱うことの大事さはコミュニティ、グループでの活動では特に大事である。そのためにもメンタライジングで他者の立場を理解した上で行動を選ぶことが必要だ。
いくつかの心理実験が示されているが、それらの異常性も半端ない。そういう無謀とも言える実験が現代の我々の人間関係を司る脳力を解き明かしてくれているのでありがたいのではあるが。
目的を達成する脳力を磨くのも大事だが、社会的な脳力を増やしリーダーシップを養うことが自分を助ける。よく言われることではあるがその基本原理を丁寧に解説したのが本書と言えよう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2015年9月23日
読了日 : 2015年9月23日
本棚登録日 : 2015年9月23日

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