深川澪通り燈ともし頃 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (1997年9月12日発売)
3.57
  • (7)
  • (24)
  • (22)
  • (5)
  • (0)
本棚登録 : 168
感想 : 18
5

再読了。

連作長編二話。

二話目の主人公、お若さんが素敵過ぎます。

「お前も来年は十七だろ。姉ちゃん母子を養ったり、おみやと所帯をもとうとしたり、もう立派に一人前じゃないか。一人前なら、もっと見栄をお張り。姉ちゃんを吾兵衛さんにとられたのが口惜しくっても、姉ちゃんに甘ったれられなくって淋しくっても、そんなことは平気だって顔をおし。一人前の男が、それくらいの見栄を張れなくってどうするんだよ」

十六のときに、こんなことを言ってくれるお若さんが・・、北原亞以子さんが身近にいたなら、わたしも一人前の男になれたかも知れませぬ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 北原 亞以子
感想投稿日 : 2012年10月12日
読了日 : 2012年10月10日
本棚登録日 : 2012年10月12日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする