樹の上の草魚 (講談社文庫 う 34-2)

著者 :
  • 講談社 (1996年8月1日発売)
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感想 : 10
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空想医学小説かと思えば、神話のようでもあり、ちょっぴりいびつで優しい男同士の友情の物語かと思えば、不器用でピュアな恋に落ちる男と女の愛情の物語でもあります。読んでいると、場面ごとの映像が鮮明に浮かび、クロスバ交換機のカチ・カチという快い音が頭の中にくっきりと響きます。
なぜ、男と女、ふたつの性があるのか。どうして人は恋に落ちるのか。ふたつの性を併せ持つ人は、男なのか、女なのか、どちらでもないのか。ソモ・ソモ男女の性差をどこに見出したらよいのか。透明な科学の目と、繊細な文学の目の、両方の視点から深く性の謎に踏み込んだ興味深い作品です。吉川英治文学新人賞受賞作。

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: 恋愛・エロス
感想投稿日 : 2005年10月8日
本棚登録日 : 2005年10月8日

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