マッシモ・カッチャーリの『必要なる天使』にこの悲歌がしばしば引用されているのに示唆を受け、あらためて繙くが、この世界に生きること自体への深い嘆きを表明するこの悲歌は、詩としても、そこに込められた思想もきわめて密度が高い。天使についていくつか興味深い詩句が見られるとともに、ベンヤミンの歴史哲学につながる発想も感じさせる。動物を語る詩句も興味深いが、少々感情移入が過ぎるようにも思われる。手塚富雄の自己弁明はなくもがなのような気がする。
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カテゴリ:
文学
- 感想投稿日 : 2011年4月6日
- 読了日 : 2011年4月6日
- 本棚登録日 : 2011年4月6日
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