雨月物語 癇癖談 新潮日本古典集成 第22回

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  • 新潮社 (1979年1月1日発売)
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【新歓企画】ブックリスト:「大学1年生のときに読んでおきたい本たち」
読んだ人がどれだけいるのか知らないのですが、古典文学中でも名前と内容が伴って理解されている作品としては極めて有名な作品のひとつであると思います。そういう文学史的な知識を伴って「江戸時代の作品」として読まなければ楽しめない作品も多い中、『雨月物語』に関しては全く現代に設置しても遜色の無い作品であり、殊妖怪に関して言えば、後に鏡花とか京極とかがいくら必死に書こうが到達できない境地まですっ飛んでしまった感があります。そういえば、古文を読むときに朗読CDを聴きながら読むとわかりやすくなるので古文をあまり読んだことが無い人があたるときはそれをお勧めします。石田彰のものがありますが、現代語訳らしいので白石加代子のものが良いです。また、『癇癖談』(くせものがたり)は秋成の違った側面が見られるパロディ小説です。パロディの笑いに関しては『仁勢物語』(にせものがたり)とかが上手いですが、これは最初から最後まで悪口と悪口です。古典文学でもこれくらい単純に面白く読め、こんな低く理解できる作品があるのだと思わせてくれるでしょう。【S.Y.】

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: 2011年度新歓企画
感想投稿日 : 2011年3月10日
本棚登録日 : 2011年3月9日

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