黒執事(28) (Gファンタジーコミックス)

著者 :
  • スクウェア・エニックス (2019年3月27日発売)
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シエルとして、シエルの弟の邂逅が終わって、新たな双子戦争へ。
兄、正当な後継者であるシエルが舞い戻った。
戻るはずない命を再び宿して。
そこに絡むはアンダーテイカー=元死神。
彼は言う
 我慢ならなくなったんだよ
 これ以上ファントムハイヴを失うのは  と。
本邸での二人が向き合ったのに乱入したグレルとオセロ。
そこに加わったのはヤード。
リジーがシエルの後から出て来る。
シエル兄の後ろから。
ブラバットが本邸に潜伏していたことになり。
血液の貯蔵も。
逮捕されるシエル弟。
リジー本人のせめぎあいは心が痛い。
本音と本心と。塗り固められた嘘。
護送される弟。
本邸で寛ぐ兄は言う。
 本気で兄弟喧嘩することが楽しみだ と。
弟とセバスは抜け出して、セバスの集めたお屋敷の使用人が合流。
そこに手を貸す写真屋ピット。
逃した先は下水道。
その先で待っていたのは劉(ラウ)。
海外逃亡しないのかと問う劉。
しかし、弟は。
ずっと沈黙していた弟は苛立っていた。
 今更帰ってきて
 なーにが「シエル・ファントムハイヴはこの僕だ」だ!
この一言が合図で皆の動きが決まった。


今までシエルとして努めてきた立場を掻っ攫われて、
怒らないやついないだろう。
この最後のシエル弟の叫びは魂の叫びだ。
懺悔と苛立ち、贖いと償いと。
たぶん。
誰よりも、ずっと傷つきやすく脆いシエルだったから。
頭の回転の速さ、決断力の強さ、意思。
どれも本物。
誰が偽物だと言うのだろう?
それこそ、本邸で寛ぐ兄では?
そしてそこに居続けるタナカは??
一つの物語の幕開けには十分時間を掛けた一冊。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: マンガ
感想投稿日 : 2019年5月5日
読了日 : 2019年5月5日
本棚登録日 : 2019年5月3日

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