スワロウテイル人工少女販売処 (ハヤカワ文庫JA)

著者 :
  • 早川書房 (2010年6月30日発売)
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本棚登録 : 921
感想 : 92
5

課題本読了。
最初に読み始めた状態の精神がローテンションだったからか、全体的に冷たさとフラットさを感じたけど、いったん切って読み直したらそんなことはなかった。むしろ感情豊かではないか。

テーマ的には、雌雄分断、人工生命体、ナノマシン、設定された意識のコンフリクト?とかかな。完全都市・ユートピア()とかも。

なんか自分の中で、ユートピア=ディストピアという等式が成り立ってんだけど…。こんなこと考えているからピアピア動画で心が痛くなるんだよね。
てか、これだけ技術発達させているなら、エネルギーも自給できるような気がするんだけど…。石油合成させるなり、ATP?作らせるなり。

種としてのアポートシスとそれを防ぐための雌雄分断→統制された生殖管理:安定を目指したシステム内、複雑系は最終的に破滅するというお決まりの流れですねわかります。
この時間軸ではまだ分断されて数世代だから、いい感じに兆候が出始めるあたり?

ナノマシン技術の超発達による食糧問題の解決と、人工妖精。
脈絡ないけど、物質的欲求と精神的欲求という言葉が脳をかすめた。

人工妖精はいろいろ言及できると思うけど、むしろいろいろありすぎてどれに着目すればいいんだろう?
アシモフ的な原則でいいの?意識とありようと原則による型枠。

感想では非常に面白くて、久々の大当たり。ライトに読めるし、いろんな要素詰め込んでて、それぞれ深く考えようとすればいくらでもいけそう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: SF
感想投稿日 : 2013年4月18日
読了日 : 2013年4月17日
本棚登録日 : 2013年3月4日

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