読了!★★★★☆ 貫井徳郎4月発売の最新刊!
ネタばれすると、今作では人は死にません!
とある女流作家の謎の過去が本人の口から明かされていく・・・ミステリ?
見た目に気を使っている人すべてが、容姿に自信があり武器にしようとしている訳ではない。
強烈なコンプレックスによって強迫観念に囚われ、それを克服しようともがいている場合の方が多いと思う。
そうなってしまうきっかけは、とても些細な事が多いんじゃないか。
幼少期に指摘された、小さな容姿の欠点。
あくまで人と比べてなのだが、鼻が低いとか、唇が厚いとか、目が細いとか様々あるが、子供は醜美を敏感に感じ、遠慮なく口にする。
言われた方はそれを真摯に人との違いとして受け止め、良くないと言われてしまえばそう強烈に思う様になってしまう。その呪縛は自らで簡単に逃れられる物ではない。
美しいとちやほやされている人や芸能人と比べ、自分が認められないのは醜いせいだと自分で縛ってしまう人もいる。
今回の主人公がまさにそれで、克服する為に行動をする。
そうしてコンプレックスを乗り越えた先に何を感じたか。
過ぎたるは猶及ばざるが如し。とは限らない。
過ぎたるものは、強力であるが故に反発も同等にある。
こと醜美に至っては、醜にせよ美にせよプラスとマイナスのどちらも生み出す。
見た目に拘らず人を判断するのは簡単ではないからなぁ。
木之内みたいな友人が欲しい。
女の情念の強さがよく書かれていて迫力のある文章だ。
しかしラストには疑問が残る。
咲良が語ったのはそうして欲しかったからなのか?私は違うと思うが・・・
- 感想投稿日 : 2012年4月21日
- 読了日 : 2012年4月17日
- 本棚登録日 : 2012年4月11日
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