精神医学再考―神経心理学の立場から (神経心理学コレクション)

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  • 医学書院 (2011年9月16日発売)
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・心理学的力が保たれていても、心理学的緊張が低下すると、現実感が希薄になって、心理学的力は低次の固執傾向などに注がれる結果、強迫症状などが出現してくる。
…もともとは「ヒステリー」をどう考えるかというところから生じている。心理的葛藤を生じさせる出来事を「抑圧」して、例えば身体化(声が出ない、手足が動かない)が生じるという見方と、心的エネルギーの減弱に伴って心理学的緊張が低下することにより、意識が競作状態に陥って、耐え難い記憶などが意識から切り離されてしまう(解離)ことになる、という見方である。
「抑圧」という機制に訴えようとすると、一定の「自我」のようなものを措定することが必要になるが、解離のほうは、そうした自我のような存在を認めなくても、意識の病理として捉えることで、ヒステリー性と言われるさまざまな症状の解釈が可能になる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 精神・障碍
感想投稿日 : 2014年3月9日
読了日 : 2014年3月9日
本棚登録日 : 2014年3月9日

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