・どんな軍隊も臨機応変の価値判断を要求するものです。けれども、そうしたことばだけでは何もわかりません。組織構造に目を向けなければなりません。…アメリカ陸軍における上級史観と先頭に従事する軍人の割合は一対五であるのに対して、IDF(イスラエル国防軍)では一対九になっている。
・NASAはそれ以前にも、何回か発泡剤の剥離を目撃していた。その剥離が過去、問題の発生につながらなかったため、その整備は定期的作業として実施する、というのが上層部の決めたルールだった。したがって、それ以上の議論は全く必要とされなかった。
→コロンビア号の爆発について。スペースシャトルを使いまわすために、作業をルーチン化したかったのだ。
NASAはコロンビアのことを「着陸して向きを変えるとすぐにまた飛び出せる、こんな飛行が簡単にできるボーイング747のようなものだ」と喧伝していたそうだ。しかし実際には、「宇宙飛行は、テクノロジーのイノベーションと非常によく似て、基本的に実験的な試みであって、その心がけで取り組むべきだ。飛行を繰り返すたびに、それを重要なテストであり、そして同時にデータの収集源だと考えるべきだ。過去に実践したことを日常的な作業に応用することではない」
・砂漠で魚を養殖することは道理にかなっている、と説得するのは骨が折れた。―サムエル・アプルバウム教授
・アメリカ軍は普通、役割が決められた航空機を四波にわたって飛行させることによって、作戦の具体的な要件を達成しようとする。たとえば、第一波は敵航空機の防衛空域をくぐり抜けられるように設計された空中哨戒機、これに続いてミサイルを発射してくる敵の対空砲火装置を破壊する第二波、そして第三波は、電子化された軍用機、燃料補給のためのタンカー、そして戦闘の全体像を映し出すレーダー機で構成される。最後の第四波は、攻撃機そのもの、つまり爆弾を積んだ航空機の出番だ。
…イスラエルのシステムでは空対空ミサイルを装備しないで出撃する事はありません。それがどんな作戦であってもです。レバノン南部に攻撃するとなれば、攻撃基地は飛行で二分間の距離に置かれます。そうすれば誰かほかの人が支援に来られるのです。それでも、敵国の領土に空対空ミサイル無しで行くなどということは決してありません。
・分野が全く異なるテクノロジーのマッシュアップ。ミサイルの電子工学技術をカプセル内視鏡に応用したギブン・イメージング、光源・酸素を生む藻・インシュリンを作り出すベータ細胞が揃ったミクロの環境を移植するBeta-O2。発想が、凄い。
- 感想投稿日 : 2013年7月16日
- 読了日 : 2013年7月16日
- 本棚登録日 : 2013年7月16日
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