地図のワンダーランド (小学館ライブラリー 113)

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  • 小学館 (1998年7月1日発売)
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感想 : 1
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地図を眺めると楽しいことがある。地図は部屋にいながらにして遊べる「大人の知的エンターテイメント」だ。





今回の本は、1994年に発行されたものだが、今読んでも興味深い。




どうしてこんな生き物が地図に描かれているのかと思うことがある。本でも取り上げているが、イングランドの西部に位置するヘレフォードという町の大聖堂に、13世紀末に作られた変わった地図がある。





当時のキリスト教的世界観を現した作品で、、聖堂の祭壇に飾ってある。




アフリカ西部一帯に何だこれはと思うような人物が登場。頭がなく、胸に目と口のある「無頭人」が2人立っている。この不思議な人は、中世に存在していると信じられていた食人種ブレミエだった。





なぜアフリカと無頭人が結びついたのか分からないが、ヨーロッパ人が野蛮と思った地域の地図には、この無頭人がよく登場すると著者は述べている。






海は荒れ狂うことがある。中には海の難所として恐れられていた場所もあった。渦で表現しそうなものだが、意外とないそうだ。




著者は2枚だけ見つけたとして紹介している。ノルウェーのロフォーテン諸島海域を描いた作者と年代ともに不詳の地図。そして、鳴門の渦を描いた江戸時代の四国遍路案内図「四国遍礼」だ。





ロフォーテン諸島に描かれている渦の方が迫力があるなあ。渦に巻き込まれると抜け出せなくなり、大変なことになりそうだ。





地図を見るとその時代の人々が何を思っていたのか知ることができて面白いなあ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年3月4日
読了日 : 2022年3月4日
本棚登録日 : 2022年3月4日

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