山下裕二 壇蜜 私を美術館に連れてって: いつでも鑑賞できるミュージアム

著者 :
  • 小学館 (2022年5月25日発売)
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今回取り上げる本は、「週刊ポスト」の巻末グラビアで1年余り連載していた「美術館に行こう」という木地を再編集して本にしたものだ。





特別展ではなく、常設展を観てほしいことを伝えたい企画とある。




「笑点」の青い着物の方が好きな壇蜜と、美術史家山下裕二が巡る美術館・博物館の世界。




オフィス街として有名な丸の内。そこには「JPタワー学術文化総合ミュージアムインターメディアテク」がある。




もともと東京中央郵便局局舎だったが、改装して東京大学が1877年に開学して以来の学術標本や研究資料を観ることができる。




入館料は何と無料。




貴重な資料がたくさんあり、中に入ると昭和天皇のコレクションなどもある。





横浜にある「神奈川県立歴史博物館」は、旧横浜正金銀行本店の中にある。1969年に国の重要文化財に指定されている。





常設展では古代から現代まで扱っている。「原始・古代」のフロアでは土偶や埴輪などが展示。



縄文時代の「土製頭部破片」は日本最大級とされていて、2018年に開催されたよ文化庁主催の縄文展でパリでも公開された。





壇蜜は「大きくて、愛らしい表情ですね。背面の鏡で後頭部の装飾を覗く仕掛けに好奇心をそそられます」と観相を述べている。





駒込にある「東洋文庫ミュージアム」は、東洋学の分野ですね日本最古・最大の研究図書館「東洋文庫」併設のミュージアムだ。




2階に上がると目に入る「モリソン書庫」がある。日本一美しい本棚と評される東洋文庫ミュージアムの常設展示だ。




中国、チベット、インド、日本などに関する本がある。



モリソンの集めた古い時代の洋本は袋とじをたくさん重ねたような作りで未開封の書籍も数多くあると山下が述べている。




それに対して、壇蜜は「袋とじはグラビアの付録ではなく歴史ある製本文化だったとは・・・・・。開かれていない袋とじの中身に好奇心がそそられますね」と述べている。




三遊亭小遊三でなくても袋とじは人を魅了する。




あまり行く機会のない美術館や博物館も取り上げていてよかったなあ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2022年11月23日
読了日 : 2022年11月23日
本棚登録日 : 2022年11月23日

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