最新日米口語辞典 [決定版]

制作 : エドワード・G・サイデンステッカー  松本道弘 
  • 朝日出版社 (2021年1月28日発売)
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この日本語は英語にするとどうなるのかと思うことがある。今回取り上げる日米口語辞典は、1977年に既存の和英辞典の枠にとらわれることなく、日本語のニュアンスをを活かしながら、アメリカ人に伝わる辞典で話題になった。




1982年に、第2版が出版された。それからおよそ40年の歳月が流れた。新しい生活様式、若者の間に生まれて一般に定着した新語など、300あまりの見出し語を加えてバージョンアップしている。





立教大学名誉教授でNHK英語講座も担当されたことのある鳥飼玖美子先生は「読むだけで楽しい!この辞典にハマってしまいそう」と薦めている。そして、TBSの「東大王」に出演している鈴木光さんは「日本語のニュアンスがしっかり伝わる!今までなかった和英辞典!」と薦めている。





ニュースで話題になっていた「陳情」という珍言とうそで自民党を離党することになったマツジュンさん。この方の言動に対して思ったことは「そらぞらしい」だ。そういえば、「そらぞらしい」は英語でどう言うのか。insincereが載っている。「真実味や誠意がない」を意味する。この表現は、言葉以外にも人の態度一般にも言える。







話題になった言葉と言えば、「忖度」だ。もともと、「忖度」は、「他人の気持ちを推し量る」という意味で、プラスマイナスゼロだったが、あの件ですっかり悪者になってしまった。人間なら、名誉棄損で損害賠償を求めて裁判に訴えたいくらいだろうなあ。







英語にするとどうなるか。anticipate what someone is thinkingとするか、1語で言うとassumeになる。





バラエティー番組を見ているとたまに聞く言葉の1つに「無茶振り」がある。この言葉はお笑いの世界から出た表現とある。2つの用例で説明している。1つは「返答に困る話題や質問を振ること」で、a ridiculous questionにしている。そして、「できそうもないことを頼むこと」を意味する場合、an impossible taskあるいは、an unreasonable requestとしている。





なかなか自分では浮かんでこない表現がたくさん載っているなあ。気になったものをペラペラめくって読むと勉強になる。

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感想投稿日 : 2021年3月21日
本棚登録日 : 2021年3月21日

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