日本人はどう住まうべきか?

  • 日経BP (2012年2月2日発売)
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 昨日、日テレ系で「アナザースカイ」と言う番組で著者の一人、隈研吾が出ていた。中国での様子を映していたが、何が起こるかわからないまさに「ワンダーランド」中国だけに現場に行って見ないと分からないことだらけと言っていた。



 「バカの壁」などの著者で有名な養老孟司との対談を収めたのが今回の本。今から約5年前の本だが、今読んでも面白い。



 津波に対してノーマークだったと会い、びっくりした。耐震設計に対して日本建築学会は研究がなされていたが、津波に関しては部会すらなかったそうだ。「前提条件を基にするのが理系で、前提を変えるのを嫌うのが理科系の人間」と養老が述べている。「想定外」と言う言葉が盛んに言われたが、発想を転換すれば出てくることもあるので想定外では済まない。余談だが、トランプ当選をメディアが外していたのもトランプは泡沫候補者で当選はしないという前提(あるいは妄想)を過信していたのだろうか。



 今の日本の建築は、規則だらけで建築家からするとやりにくい。いろいろな規制当局があり、大変だ。養老は、日本では「世間」、暗黙の了解がコントロールの主体と述べている。



 今のマンションはサラリーマン化した設計者が作るので画一化していくようだ。そして、マンションの販売する人は意外なことにマンションではなく、「普通の家に住んでいるそうだ。その理由を聞いたら、何かあったときに飛び降りられない家には住めないと述べた。



 建築を通して見えてくる日本の問題。結構、根が深いなあ。


 
http://www.ntv.co.jp/anothersky/contents/2017/01/post-1888.html

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感想投稿日 : 2017年1月21日
読了日 : 2017年1月21日
本棚登録日 : 2017年1月21日

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