読了。「カササギ殺人事件」の続編で、登場人物を引き継いでいるだけでなく、小説中に別の推理小説が丸ごと入っていて、それが物語のキーとなるという構成も前作と同じという、こんな話を思いついたとしてもよくまとめたな、という作品。しかもその作中作自体も単独で読んでも面白くて、とはいえいくつか引っかかるところがいくつもあるものの、その引っ掛かり自体が実際に重要なファクターになっていくという、いい意味で頭がおかしいというか行き着くところまで行ってしまったミステリである。間違いなく傑作。
いわゆる1粒で2度美味しい…のはいいんだけど、なんというかこう、登場人物が誰も彼も主人公に対して刺々しい態度を取るのが読んでいて気の毒になってしまって、途中読んでいて辛いところもあった。頼まれたから来ているって言ってるのに、あんたには関係ないだろうとか言われたり。自分は話の通じない相手と話すのが苦手なのでそこだけは気持ちよく読めないポイントだった。途中で味方が出てきてくれたので、そこでようやく救われた感があった。
第3作も出るそうだけど、次も読むかどうか…。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
ミステリ
- 感想投稿日 : 2023年1月9日
- 読了日 : 2023年1月9日
- 本棚登録日 : 2023年1月9日
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