ソマリランドで知られるノンフィクション作家の高野さんと、日本中世史を専門とする歴史学者の清水さんの対談。異色の組み合わせではあるが、これが見事な化学反応を起こし、とても面白い内容となっている。
時間と空間の違いこそあれ、ソマリ社会も中世日本も、現代日本から見ればどちらも遠い異文化世界。むしろソマリ社会と中世日本のほうにこそ共通点が多いかも、という気づきから始まったこの対談。豊かな経験と強い好奇心で高野さんが打ってくれば、該博な知識で清水さんが当意即妙に返してくる。何といっても、お2人が楽しんで対話しているのが伝わってくるのがいい。
古米と新米の話などトリビア的な知識も得られるし、鎖国と現代日本、NGOやNPOと現代日本など社会科学的に考えさせられるトピックもあるが、体系的学術書というわけではない。肩肘はらず、楽しく学ぶとはどういうことかを感じて読みたい。
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- 感想投稿日 : 2021年8月29日
- 読了日 : 2021年8月29日
- 本棚登録日 : 2021年8月29日
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