永遠の世界からやってきた妖精フィツにとって地上世界は不思議なところだった。何もかも移り変わり消えてゆく、限りある世界。フィツが地上にいられるのはわずか九日間。その限られた時間で、最初に話したひとりの人間を観察し答えを出さなければならない。世界は滅びるべきなのか――。
フィツが最初に出会ったのは、きわめて正確の悪い少女ペチカだった・・・。
(あらすじより)
***
おそらく読んでいる人は多くないけれど、その評価は結構高めな隠れた名作ファンタジー。
人間なら誰しもが持っているであろう善の部分と悪の部分をストレートに描いてある作品。
フィツが可愛くて、ルージャンがある意味格好良くて、ペチカを受け入れてくれた人たちの心があたたかくて。
最初はペチカの境遇が可哀そうで、しかもペチカ含め登場人物みんな冷たすぎて、てか守頭怖すぎで、こんなにおもいの読みきれるかな、と思ったけど、最後まで読めて良かった。
図書館で借りたんだけど、手元に置いておきたい。
で、心がささくれた時に読む、と。
てか、心の中で登場人物たちの名前叫びまくりでした。
フィツー!ルージャーン!!おばーちゃーん!!!みたいな(笑)
中でもルージャンがヒット連発。
あんなに必死にペチカを想っていたのに・・・後半のトリニティーでのシーンは私も泣きそうだったよ。(自業自得と言われればそれまでだけど)
がんばれルー!めげるなー!みたいな。
p142『「お金がいっぱいあって、おなかがいっぱいで、永遠に生きられたら、誰だって親切になるよ!」』
p492『「おかえり」それはフィツが知っている、一番優しい言葉だった。』
『アンティアーロ・アンティラーゼ』(『私の歩んだ旅をあなたが継いでくれ』)
・・・なんて優しくて、残酷な言葉なんだろう。
- 感想投稿日 : 2011年2月5日
- 読了日 : 2009年9月23日
- 本棚登録日 : 2011年2月5日
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