「ああこれは絲山さんだ」というところをあちらこちらに見出しながらも、従来の作品に比べてどこか深さが増したような印象を受ける。そのため、読んでいても飽きることがない。「下戸の超然」の主人公は、私が好きな「アーリオ オーリオ」の主人公のような雰囲気を感じさせて、とても気になった。
絲山さんの小説を読んで感じとるのは世の中から疎外されている感覚。しかし、疎外されていても、いろいろ諦めている感じではない。その真剣さを私は好んでいるのだろうか。
「作家の超然」は絲山さんが考えていることがかなり直接的に出ているような気がして、非常に切実なものを感じた。二人称で語るスタイルについては、絲山さんはどういう風にとらえているのだろう。気分よく語るための仕掛けのような気がするんだがどうなんだろう。小説もいろんなものでできているしなあ。
4/26に出版されるという新作を心待ちにする。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説・現代文芸(女性)
- 感想投稿日 : 2013年4月20日
- 読了日 : 2013年4月20日
- 本棚登録日 : 2013年4月20日
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