なんだか官能小説のような表紙。著者植島さんがどういう人なのかの事前情報も全くなかったが、文学論とあったのと取り上げられている作品たちをそこそこ読んだことがあったので手に取ってみた。
植島さんは宗教人類学者らしい。プロフィールを見たらエリアーデに師事、と書いてあった。そういえば『世界宗教史』、『シャーマニズム』どっちも積読じゃないか… まあそれはいいとして。
自身の恋愛体験と文学作品を絡めながら読み解きをするという面白い試みの本。で、その著者の恋愛体験というのがかなり赤裸々(!)に綴られている(大学のセンセイなのにこんなの書いていいのか…)
「突然のキス」は巻頭のエピソードである。植島さんと同僚の大学の教員の方(女性)が辞める送別会において、植島さんがその方に何の前触れもなく突然キスをする、というところから始まる(せ、セクハラとかにならないんすか…) それとかあれとか(詳しくは中を)いろんな私生活における女性とのエピソードが語られる。そこから物語の筋などにあてはめたりして論が進んでいく。紹介される文学者のプロフィールみたいなものまで書かれ、けっこう文学入門的なところもある。
植島さんはかなりモテる方のようである。書かれた文の内容を読むと、相手の女性もあまり嫌がっていないようである(著者の妄想というわけではたぶん…ない(笑))
こういう人が吉行淳之介とか好きなのだろうか… と思って吉行淳之介のところまで読み進めたら案の定であった。植島さんは吉行淳之介の本を文庫だけで45冊持っているらしい(数えた(笑))。上野千鶴子さんとかはこういう人をどう思うのだろう。
作家との個人的な交流などについても書かれてあって澁澤龍彦や藤原伊織を読みたくなった(どっちも未だ未読だ…)
斎藤綾子さんの解説が目がハートになってしまっている(笑)
- 感想投稿日 : 2012年7月21日
- 読了日 : 2012年7月21日
- 本棚登録日 : 2012年7月21日
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