学生の頃に、夏期講習でこの本の講義を受講しました。
読んだ当時は、本書で展開されている理論がすべて理想論にすぎず、心を入れすぎると人生に悪影響をもたらすと思っていた。本書で展開されている理論、人間観、国家論なにもかもは誰もが思うことなのかもしれないが、それは所謂、官僚主義や共産主義、そして全体主義といった危険な種が植え付けらているからだ。
それから10年程たち、いろいろな経験を重ねていく内に、この本に書かれていたことをよく思い出すようになった。というのも、現代のような資本主義社会では、ミラン・クンデラの言う「資本主義社会に含まれる残酷で愚劣なもののすべて、詐欺師や成り上がり者の卑俗さを」目の当たりにしてきたからだ。
本書で描かれる国家論は決して歓迎できるものではない。
それでも、そこに描かれる国家像の美徳に、どこか羨望感があるのも事実である。
本当に大切なことは、本書で書かれている内容と、現在の世界の中間にあると思う。
これは人生の必読書だと思います。
読書状況:未設定
公開設定:公開
カテゴリ:
哲学
- 感想投稿日 : 2008年11月27日
- 本棚登録日 : 2008年11月27日
みんなの感想をみる