著・鹿島茂。1949年神奈川県生まれ。東大大学院博士課程修了。仏文学者、明治大学教授。専門は19世紀フランス。
共著・斎藤珠里。1959年東京生まれ。米コロンビア大大学院ジャーナリズム修士号。朝日新聞記者を経て、2006年渡仏。現在、国連ユネスコ広報官。
初版:2009年7月。189ページ。
とりあえず、本のタイトルが過激。
スタバで読んでいたものの、恥ずかしくて、とてもじゃないがタイトルが他の人に見えないように読むしかなかった。
(そもそも、こんなタイトルの本を、カバーなしで堂々と人前で読むなという話ではあるが)
しかし、
「セックス」というものに対して、かなり真面目に取り組んだ本です。
そして、内容的にも「なるほど」と納得します。
「セックス」を、ただの「エロ」「スケベ」なものとしてしか捉えられない人は、そもそも読む気すら起こらないかもしれませんが、
セックスレスと資本主義とをリンクさせて論じていて、かなり説得力あります。
簡単に結論を言ってしまうと、
現代社会で資本主義が発達した理由は、
「面倒くさいことはしたくない」という気持ちによるもので、
この「面倒くさいこと」の最たるものが「恋愛とセックス」であると。
確かに。
「恋愛とセックス」って、確かに「面倒くさい」ものだと思います。
なんというか、あの手間暇とかお金とか、色々なコストをかけなきゃいけないところとかね。
そういう発想の男子は、確かに多い。
一方で、モテない女性についても書かれています。
1970年代頃からお見合いから恋愛結婚に移行していったが、
「恋愛が女の見栄と結びついてしまい、女同士のモテ競争になってしまった」
との指摘。これは、間違いないだろうなぁと思いました。
「モテたいと思って女性誌を読んでる読者は、実はどんどんモテない方に行ってしまう」
などなど。
人間は動物である以上、
その社会的な動きを考える時に、性的な要因というのは無視すべきではないと思うのです。
人間社会を、性的な角度から捉え直すために良い本です。
- 感想投稿日 : 2012年1月24日
- 読了日 : 2012年1月24日
- 本棚登録日 : 2012年1月24日
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