歴史もののなかでも神話モノはロマンがある。
神話時代の謎解きを今の時代に解き明かそうとするのだから、当然のことながら参考文献から歴史家のように解き明かすのは困難だ。
その隙間は推理作家のように独自の解釈と空想夢想の中からロジックを組み立てていくしか無い。
そういう意味では神話モノの謎解きというのは著者のロマンを共有できるかどうかでその評価は全く異なることとなる。
本書もそういった両極端になる可能性がおおいにある。
参考文献の少なさかつ、参照箇所の極端な少なさ故、そのほとんどは著者の解釈のみでストーリーが形作られている。
あくまで、歴史推理小説のような気持ちで読む分にはオモシロいと感じるが、歴史物として読み進める限りトンデモ本の域を脱しない。
これは、本書に限らず神話モノのある意味宿命なのかもしれない。
とはいえ、ボクはこの手の神話モノ、特に権力から外れた「鬼」「モノ」達が古代、中世、近世と影響を及ぼし続けてきたという話は大好物なのでる。
現代においても天皇家の祭事にはかならず「まつろわぬモノ達」が欠かせないという、この国の構造は実に不可思議だと思うのだ。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
歴史
- 感想投稿日 : 2014年2月2日
- 読了日 : 2014年2月2日
- 本棚登録日 : 2014年2月2日
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