結構前に読んだのだが縁あって再読。面白くて一日で読了した。歌舞伎町でバーテンをしていた佐山は、だまされて雄琴(滋賀県)の風俗でボーイとして働くことになる。童貞らしさを抱えながら、佐山は葛藤の日々を送る。
佐山の心理描写も読んでいて込み上げるものがあるが、丸岡や吹雪との交流はユーモアと優しさと、悲しみが混ざり合っていてとてもよかった。中でも終わりにある佐山と吹雪のやりとりは秀逸。このやりとりに佐山の成長が現れていて、不格好なセリフのなかに相手を受け入れている気持ちが感じられる。希望を残すいい終わり方だった。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2014年3月24日
- 読了日 : 2014年3月21日
- 本棚登録日 : 2014年3月21日
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