第1次世界大戦から第2次世界大戦にかけてドイツ・ポーランドの国境近くの修道院で行われた秘密の実験。
脱走兵に、ポーランドの少女、修道院の作男、と、語り手は変動していく。でもって、どれも<信用のならない語り手>なのだ。
なので、翻弄され困惑し、気がつくとがっつり世界に取り込まれている。
にしても、薔薇と人間を融合させるという実験が、あの病気の治療云々につながっていくとは…。
とはいえ、まぁ、どれもこれも共感できない人物のオンパレードで、ある意味、人間の基本的な嫌な部分、というか自分自身が嫌悪していることを凝視させられる気になる。
やっぱ、怖いです、皆川博子。
でも、癖になる面白さ。
読書状況:読み終わった
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邦人作者名 ま~も
- 感想投稿日 : 2012年6月10日
- 読了日 : 2012年6月10日
- 本棚登録日 : 2012年6月10日
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