薔薇密室 (ハヤカワ文庫 JA ミ)

著者 :
  • 早川書房 (2012年4月5日発売)
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本棚登録 : 505
感想 : 41
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 第1次世界大戦から第2次世界大戦にかけてドイツ・ポーランドの国境近くの修道院で行われた秘密の実験。
 
 脱走兵に、ポーランドの少女、修道院の作男、と、語り手は変動していく。でもって、どれも<信用のならない語り手>なのだ。
 なので、翻弄され困惑し、気がつくとがっつり世界に取り込まれている。

 にしても、薔薇と人間を融合させるという実験が、あの病気の治療云々につながっていくとは…。
 とはいえ、まぁ、どれもこれも共感できない人物のオンパレードで、ある意味、人間の基本的な嫌な部分、というか自分自身が嫌悪していることを凝視させられる気になる。
 やっぱ、怖いです、皆川博子。

 でも、癖になる面白さ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 邦人作者名 ま~も
感想投稿日 : 2012年6月10日
読了日 : 2012年6月10日
本棚登録日 : 2012年6月10日

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