また、同じ夢を見ていた

著者 :
  • 双葉社 (2016年2月17日発売)
3.90
  • (576)
  • (722)
  • (498)
  • (113)
  • (17)
本棚登録 : 7362
感想 : 701
3

人生とは、で語られる主人公 奈ノ花の言葉がいちいち可愛らしい。

「幸せ」とは何か。
きっと人の数だけ解釈があるのだろうけど、それぞれ別の道を選んだ奈ノ花たち、そして桐生くんの導く「幸せ」の意味が、それぞれの過去と重なって、涙が出そうになるくらい胸がいっぱいになった。

好きなシーンはアバズレさんとおやつをお供にお喋りするところ。

「だけど、無理に飲む必要はないよ。甘いものだけを美味しいっておもえるつて、素敵だと思う」

「人生とはプリンのようなものってことね」
「甘いところだけで美味しいのに、苦いところをありがたがる人もいる」

「人生には苦いところがあるかもしれない。でも、その器には甘い幸せな時間がいっぱい詰まっている。人は、その部分を味わうために生きてるんだ。」
「私も、本当は苦いコーヒーやお酒より、甘いお菓子が大好きだった。」

プリンを恋に例えたり、最後に甘いところだけのプリンを食べたり、そんなやりとりが印象的。

あと、スヌーピーのお話。
「人生とは、アイスクリームのようなもの」


「君の膵臓…」は実写化で見たけど、読んだことはなかった住野よる さん。
するする入ってくる心地よいフレーズと優しいだけで終わらないテーマとが今の自分にはぴったりなお話でした。

読書状況:いま読んでる 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2024年1月13日
本棚登録日 : 2023年12月14日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする