池上さんの本『世界史を変えたスパイたち』で紹介されていたので読んでみた。
毎日新聞社の取材班による2022年の著作。
情報社会に生きる身として、知っておくべき情報満載だった。
一方、本書のメインテーマである、オシントの重要性、将来展望のほか、情報の洪水によるデマ、ディスインフォメーション、ディープフェイクよってに引き起こされる事例の紹介に軸足が移る後半は、やや焦点がボヤける。
故に、市民もしっかりオシントを活用して自己分析能力を高めよという警鐘として読んでおくには面白い。ストーカー被害や、コロナのワクチンにまつわるデマなど、身近な話題が取り上げられていた。
今後、よりビッグデータを活用した、事実把握が必要となっていくが、そうなればなるほどAIを駆使した分析となり、人の手から離れていくことになるだろう。
諜報活動は、ヒューミントから、既にオシントに移行してきたと思わせるが、日常生活のなかでの情報への接し方は、いかに変化していくのだろうか。
今は、過渡期なのだとは思うが、一気呵成に物事が進みそうな、不気味な胎動を感じた。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ノンフィクション
- 感想投稿日 : 2023年5月15日
- 読了日 : 2023年5月10日
- 本棚登録日 : 2023年5月10日
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