副題”進化する「スポーツ計時」の驚くべき世界”にあるように、記録の計時のお話。SEIKO(服部時計店)社員からライターになった著者の最新作(2013.7.13刊)。2020東京五輪開催が決まって、まさにタイムリー!?
1964の東京五輪でのSEIKOの挑戦のクダリはもちろん熱く語られており、「科学のオリンピック」を標榜した前回五輪に対し、Discover Tomorrowの2020でSEIKOはどんなチャレンジをするのかと思いきや、2020年までの五輪オフィシャルタイマーはスイスタイミング社(スウォッチグループ)が権利を獲得してるのだとか。そもそも五輪規模のオフィシャルタイマーを担えるのは、今やそことSEIKOの二社だけ。なんて業界情報も面白い。
なにより人類の記録の更新と計時技術の発達が絡み合って、競技ルール改正がなされたり、走法にも影響しあうなど、相い織りなすドラマがなんとも興味深い。後半、現場の苦労話など話が横に逸れる感があるが、100m走の歴史あり、水泳、冬季雪上競技の計時にも話は及び、各競技のエンターテイメント性を高めるための、これからのスポーツ計時のあり方までを語る、専門家ならではの見識に富んだ記述は、読み応えありだった。
読書状況:読み終わった
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ノンフィクション
- 感想投稿日 : 2013年9月9日
- 読了日 : 2013年9月8日
- 本棚登録日 : 2013年9月9日
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