9の扉 リレー短編集

  • マガジンハウス (2009年7月23日発売)
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本棚登録 : 383
感想 : 79
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リレー短編集って読んだ記憶があんまりなくて、

ほぼ初体験で読みました。

なかなか面白い化学反応ですね



次の作家さんにお題を伝えて、それを小説にする。

こんなことが出来る作家さんたちはすごいです。



4人目鳥飼否宇「ブラックジョーク」に

2人目法月綸太郎「まよい猫」の登場人物がちらりと出てきたり、



その「ブラックジョーク」と

5人目麻耶雄嵩「バッド・テイスト」は

完全に続きのお話ですし、

しかも続きの話だと最後のほうまで気づかなかった。

脱帽でした。



7人目貫井徳郎「帳尻」と

8人目歌野晶午「母ちゃん、おれだよ、おれおれ」も

完全に続いてます。

こんなんアリなんだぁ!とニコニコしてた。



1人目北村薫「くしゅん」だけちょっと話が違うかなぁと感じつつ読んでると、

最後辻村深月「さくら日和」でものの見事に繋がっており、

満足度が増しました。



あとがきは今度は最後の辻村深月から戻るやり方で

それはそれでどういう趣向で書いたかがわかり

さらに満足です。



リレー短編集なので、

どれが良かったとはなかなか言いがたいのですが、

まあ見事にバトンを繋いだ麻耶雄嵩と歌野晶午とが良かったかな。

最後の辻村深月の小学生の気持ちの表現の仕方には

いちいち納得できて脱帽でした。

本当に小学生が書いているのでは?と思うほどです。

そして題名にふさわしく少しお母さんの行動がサクラ日和でした。




★★★★(8点)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2009年9月22日
読了日 : 2009年9月22日
本棚登録日 : 2009年9月22日

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