やれ自分がこんななのは親のせいだ、やれ貧乏な家に生まれたから自分はこんななんだ、といった言説を頻繁に耳にする。「私」そのものが他者の影響のもとにできあがっているのだから、自分の過失に対して原因を求めれば、必然的にこれは自分の問題ではない、という結論に至る。それはある意味で正しい。だが、この結論に到達したからといって、問題が解決するわけではない。新たに何かしらの問題が生じると、性懲りもせずそれを誰かのせいにして自分を納得させる。果たしてそこにあなたの主体的な契機、あるいは自由はありますか?‐そんなあなたへ。
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柄谷行人
- 感想投稿日 : 2013年10月15日
- 読了日 : 2013年10月15日
- 本棚登録日 : 2013年10月15日
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