あたりまえのこと (朝日文庫 く 21-1)

著者 :
  • 朝日新聞出版 (2005年2月1日発売)
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本棚登録 : 94
感想 : 8
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1970年代に書かれた「小説論ノート」と、90年代に書かれた「小説を楽しむための小説読本」の二本立てエッセイ。本当にタイトル通り「あたりまえのこと」しか書かれていないのだけれど、これが目からウロコな反面、辛辣というか鋭すぎるというか、解説にも一種の「悪口芸」なんて評されてましたが、痛快すぎて心配になるくらい色々滅多切りにされてます(笑)。でもそれがとにかく的を得ていて「なるほど」と納得させられるようなことばかり。

うっすらとわかってはいたのだけれど、言葉にまとめるのは難しい何かもやもやしたものを、倉橋由美子くらい頭が良くて文章の巧い人になると、ずばっと文章にまとめられちゃうんですねえ。しかし小説を読むにしても書くにしても、ここまで色んなことを明晰に意識していたら自分なら何も手がつけられなくなっちゃいそう。そういう意味では、あまり参考になる本ではありませんでした(苦笑)。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ:  ○倉橋由美子
感想投稿日 : 2013年5月13日
読了日 : 2013年5月12日
本棚登録日 : 2013年4月18日

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