お勝手太平記

著者 :
  • 文藝春秋 (2014年9月30日発売)
3.13
  • (8)
  • (5)
  • (15)
  • (6)
  • (5)
本棚登録 : 161
感想 : 35
4

書簡体小説というにはあまりにも一方的で、お勝手というよりは身勝手な日記のような、手紙魔アキコさんの饒舌な手紙集。『快適生活研究』の続編のような位置づけと捉えていいかしら。中上健次を読んでると家系図が欲しいと思うけど、金井美恵子読んでると人物相関図欲しくなりますね。

相変わらず悪気なくアケスケに失言をまき散らすアキコさん、失礼なんだけどなんか笑っちゃうし痛快でもあり。愚痴と悪口と皮肉、でもそこに映画や読書のそれなりの知識(そこそこのお嬢様ですもんね)が見え隠れして、なんていうんだろ、こういうの「エスプリ」?だからギリギリのところで下品にはならない感じ。

アキコさんくらいの年齢になったときにまた読み返したい。装丁も可愛いけどポストカードが付録についてるのも可愛いです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ:  ○金井美恵子
感想投稿日 : 2017年2月7日
読了日 : 2017年2月6日
本棚登録日 : 2017年1月18日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする