TIDELAND
2005年 イギリス+カナダ
監督:テリー・ギリアム
出演:ジョデル・フェルランド ジェフ・ブリッジス ジェニファー・ティリー
テリー・ギリアム版「不思議の国のアリス」ということで、もっとファンタスティックなものを想像していたのですけども。これは……正直、怖かった。見た目のグロテスクさとか、凄惨な殺人とか、そういうホラー映画的な怖さじゃなくて、精神的に追い詰められる感じの怖さでもなくて、なんだろう、ローズという女の子の、存在が怖い。なんていうか、末恐ろしい。こんな頭のおかしい子(差別的な意味ではなく)が、この先どうやって生きていくんだろうっていう怖さであり、この子をこの世界に存続させることの怖さをひしひしと感じてしまいました。ちょっとずつ頭のおかしい大人たちの中で、狂気に蝕まれていることにさえ気づけない。それに適応してしまうしたたかさが怖い。
それにしてもジェライザ=ローズ役のジョデルちゃんは、見た目の愛らしさは一級品です!テリーギリアムも絶賛してましたけど、この年でよくこの芝居ができるなってくらいの名演技。というか小悪魔っぷり。妄想を糧に生きる少女の孤独とたくましさ、同時に大人の女性にも引けをとらない娼婦のような媚態。首だけの人形を友達に、その4役も同時にこなしてるのもすごいです。この子なくしてこの映画はなかったでしょうね。すんごい怖かったけど、テリー・ギリアム的世界観満載で、映画としては大好きです。
(2006.11.27)
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
イギリス・アイルランド映画
- 感想投稿日 : 2015年4月2日
- 読了日 : 2006年11月27日
- 本棚登録日 : 2015年4月2日
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