まほろ駅前多田便利軒 スタンダード・エディション [DVD]

監督 : 大森立嗣 
出演 : 瑛太  松田龍平  片岡礼子  鈴木杏  本上まなみ 
  • Happinet(SB)(D)
3.52
  • (101)
  • (301)
  • (358)
  • (48)
  • (14)
本棚登録 : 1606
感想 : 338
4

2011年 日本
監督:大森立嗣
原作:三浦しをん『まほろ駅前多田便利軒』
出演:瑛太/松田龍平/片岡礼子/鈴木杏/柄本佑/松尾スズキ/大森南朋/麿赤兒/高良健吾

原作は三浦しをんなので映画化とか関係なく読んでいたのですが、映像化されたことで原作より魅力を増す稀有なパターンだなと感じました。大森立嗣監督は前作「ケンタとジュン~」もいたくツボにはまった個人的に相性の良い監督だし、キャスティングの成功も大きいですが、連作だし続編もあるし、このキャストでドラマ化とかしてくれたらいいのに。(※実現しました)

なんといっても主演二人のはまりっぷりが最高でしたが(原作の先入観あると、ちょっと若いかなって思うんだけど)、とりわけ行天役の松田龍平が素晴らしい!ふざけてるのか真面目なのか要領が良いんだか悪いんだか、エキセントリックでミステリアスで、でも不思議な可愛げがあって憎めない行天という男の魅力を、これ以上ないくらい演じ切っていたと思います。ちょっと猫背で歩くところや、ひょこひょこと変な走り方をするところ、そんな動作まで細かく計算されていて、すごい役者だな~と改めて感動。

瑛太もすごく良かったけど、松田龍平に較べたらまだまだ小ぎれいっていうか、アクが少なくて爽やかですよね。まあ役柄的にも多田は行天ほど振り切れていないので、逆に難しいのかなという気もしますけども。

二人の関係性も、女性作者の小説だと若干のあざとさを感じたりもしたんですが(苦笑)、男性監督の目を通して演出されると、またちょっと空気が変わるというか、ラストシーンの言いあぐねる「間合い」とかすごく好きだったなあ。

他のキャストも良かったです。ルル役の片岡礼子は橋口亮輔作品でお馴染みなので好きな女優さんだし、シンちゃんの松尾スズキは意外だったけど面白かったし、星の高良くんと、山下の柄本佑は「ケンタ~」から続投で、相変わらず良い味出してたし、監督のお父さん&弟も出演してたけど、どちらも作品世界に溶け込んでいて流石って感じだったし。唯一微妙だなって思ったのは鈴木杏ちゃんのハイシー役くらいかなあ。鈴木杏ちゃん自体は女優さんとして好きなんだけど、最近どうも清純派脱皮を図るあまり、あえてこういう役を選んでいるのか、しかしそれが似合っていなくて痛々しいというか、演技力云々じゃなくて純粋にビジュアル(体型)的に合ってないのが正直きついと思う…。単刀直入に言うと彼女に全く色気を感じない。

キャストの部分ばかり語ってしまいましたが、映画としても良かったです。原作では連作になっているいくつかの事件を、切れ目なくテンポ良く繋いであって退屈しなかったし。洒落っけや笑いどころとシリアスのメリハリなんかも良いバランスだったんじゃないかな。
(2011.08.09)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ:  邦画
感想投稿日 : 2014年10月31日
読了日 : 2011年8月9日
本棚登録日 : 2014年10月31日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする