宮本昌孝著「風魔(下)」を読み終わりました。
徳川と豊臣の戦いに巻き込まれた風魔小太郎がこの最終巻では、徳川の守護神、柳生又衛門宗矩との死闘を演じます。
歴史の狭間で繰り広げられる影の戦いが激しく描かれている中で、この作品のメッセージも強く伝わってきました。
権力の象徴である徳川をあくまでも信じて戦い続けることによって、己の生き方を貫き通す柳生又衛門の人生も、一人の男の生き方としては、魅力を感じました。
しかし、その一方で何ものにもとらわらず、自分の仲間と愛する人のために最後まで自由を求めて戦い抜く小太郎の生き方は、柳生又衛門のそれと対照的に表現され、憧れを感じてしまいます。
このさわやかな主人公の結末も戦いの果てにとても夢のある終わりを迎え、読んだ後、とても気持ちがよかったです。
こういう作品に出会えたことで、幸せを感じました。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
時代小説・歴史小説
- 感想投稿日 : 2013年1月23日
- 読了日 : 2010年10月30日
- 本棚登録日 : 2013年1月23日
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