地元の市民マラソンの時期に合わせて、読んでみようと思いました。
「純白のライン」
三浦しをんさんの走りのお話はやっぱり素敵です。主人公はおおらかなニューヨークマラソンに心を溶かされ、自分は走ることを愛していたということを思い出す。
走ることと働くこと、生きることとを繋げて書かれていてなんだか励まされました。
「フィニッシュ・ゲートから」
ランナーになれなかった、走ることを愛しきることができなかった悠斗がとても辛かったです。
それでも、湊の生き方を見て、佐伯さんの言葉を聞いて、悠斗は自分の生き方を掴みかけたようで安心しました。中途半端な自分に気付いていながらも、どうしたらいいのかわからないというのは本当に辛いことです。
「金色の風」
近藤史恵さん、気になっていたので読めて嬉しかったです。
ベガのエピソードでは泣いてしまいました。
三浦しをんさんの走りの表現はとてもかっこいいなという印象に対して、近藤史恵さんの表現はきれいです。「走ることは祈りに似ている」という表現が、とてもきれいだなと思いました。
両作品とも、走ることに対して、苦しさや悲しみを受け入れる、そこにはそれだけでなく幸福や楽しさも確かにあるのだから、というような表現がされていて、とても心に残り、それは走ること以外にも言えることだなと改めて気付かされました。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
アンソロジー
- 感想投稿日 : 2014年2月15日
- 読了日 : 2014年2月11日
- 本棚登録日 : 2014年1月3日
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