”ソムノスフォビア”≪唾液感染症睡眠恐怖症≫
この病はキスによってのみ感染する―。
致死率100%のウイルス。
キスが禁じられた世界、近未来の物語。
憧れの先輩はなぜ死んだのか?全寮制の学園で起こった事件。甘く残酷な真実。
読後のぞくり感が半端ない青春ミステリー。
命がけで人を愛する少年少女たち。
設定が秀逸…!!というか心くすぐられるツボがかなり押さえられていてざわざわします…
「キス」が悪しきもの、汚らわしいとされたお話って初めてで、(物語の中では検閲対象にまでなっているのです…)作中の竹内先生と砂川が軽くキスするだけの場面を、妙にどきどきしながら読んでしまった…。
竹内先生と砂川の関係が切なく、愛情に溢れていてとても素敵でした。
後日譚の「夕映えの向こうに」も希望のある終わり方でとてもよかったです。
思春期の少女の心の未熟さ、特有の大人への絶望が生々しく描かれています。いろいろなものを失い、諦め、誰かを傷つけながら生きる、そんな大人に自分もなるのだという絶望。それでも成長する少女の姿が美しくはかなくも残酷に描かれているように思いました。
今日マチ子さんの表紙のイラスト、挿絵がとても世界観に合っているなぁと思いました。
久々に夢中で読んだかもです。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
青春小説
- 感想投稿日 : 2015年6月8日
- 読了日 : 2015年5月28日
- 本棚登録日 : 2015年5月27日
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