宇宙はなぜ哲学の問題になるのか (ちくまプリマー新書)

著者 :
  • 筑摩書房 (2019年8月6日発売)
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本棚登録 : 176
感想 : 12
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帯に「いちばんやさしい哲学入門」とあるけれど、ひらがなの「やさしい」を「易しい」と勘違いすると読み出してすぐに投げ出したくなるはず。全然「簡単に理解できる」話ではないから。でも「優しい」だと思えば、嘘とは言えないものの、著書の丁寧で熱心で面白い話に「よく分からないけどもう少し読んでいたい、先を見てみたい」と思うようになるはず。
本書は古代ギリシアの哲学からはじめて「宇宙は無限か」「宇宙が無限の広がりを持つなら知的存在がいるはずだけど私たちはその宇宙人とコミュニケーションとれるのか」という問いに進んでいく。
私は「学問は哲学として始まった、具体的な対象や方法が固まると〇〇学として独立していった、最後に残った『よくわからないもの』を研究するのは今日でも哲学」という話が好きです。本書もその一つ。
ただし、第一章の古典〜近代科学と哲学の関係や第三章の宇宙の無限性や宇宙人とのコミュニケーションについては面白く楽しく読めたのに対し、第二章のカントの説明は理解できた気がしない。他の哲学入門書を読んでもそうなので私のツボ(の反転)がそこにあるのだろう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: I don't care.
感想投稿日 : 2020年5月26日
読了日 : 2020年5月26日
本棚登録日 : 2020年5月26日

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