物語中盤に繰り出される達央さんの「おいで」の破壊力たるや。
ここに二千円以上の価値があると言っても過言ではない。
素晴らしかった。萌え死ぬかと思った。
沖田さんは乙女ゲーだとした場合の攻略難易度Sくらい。
マイナスからのスタートで、とにかく冷たい。ドSなんて可愛い言葉じゃ片付けられないほど、主人公ちゃんを傷つける言葉をがっつがっつ投げつけてきます。鬼だ、鬼。
デレるまで命がけです。マジで。
しかもちょっと優しくなったと思ったら、今度は全力で突き放しにかかってくるわけですね。
自分の病気のこともあるから。
ただこのね、酷いこと言って突き放す、主人公が走り去った後に発作でせき込む、主人公それを聞きつけて戻ってくる、縋るように「おいで」という流れがたいっへん秀逸でして!!
こうして書いても1ミリも伝わらないと思うので、もう聞いてくれ!聴いてください絶対損しないから!!という感じ。
乙女回路が臨界点をぶっちぎって、ばくはつするかと思った。
沖田さんに関してはキャラ設定も自分の中の沖田総司像と大きな乖離がなかったし、何より、達央さんの演技が上手かったなー。
淡々と語る場面でも、近藤さん、土方さん、新撰組、って単語が出る時は語り口調が柔らかくなるし、緩急のつけかた、声の強弱も大変好み。冒頭で「池田屋事変、勃発」言った時なんかの声のトーンもぞわっとくるほどで、ぐいぐい引き込まれてしまったわ。
ダミーヘッドマイクの使い方も巧みでして、重要なとこだと囁くんじゃなくて、耳の中吹き込まれる感覚。
何度、ヘッドホンつけたまま声と反対側に逃げたかわからない。リップ音もすごいよー。えっろいよーーー。
キャストトークで新撰組詳しくないって言ってたけど、本当そうなのかなー?ある程度わかってないとできない演技だと思ったんだけど。
わかってなくて、ここまで沖田像作り上げてきたんだとしたら、それはそれですごい。
二時間近いボリュームを感じさせない演技でした。素晴らしかった。
- 感想投稿日 : 2016年3月20日
- 読了日 : 2016年3月16日
- 本棚登録日 : 2016年3月16日
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