本書は、言葉の表現技法であるレトリック(修辞学)についての、理論と実践の両面をバランスよく学べる入門書である。
本書ではレトリックを、読者や聴衆を説得し、惹きつけ、さらには創造的な発想を提示するための、言葉のあやの数々と定義する(と筆者は解釈した)。そして、古典的なレトリックだけでなく近現代の研究も踏まえながら、比喩(直喩・隠喩・換喩・提喩)、誇張法、列叙法、緩叙法というレトリックの技法を紹介する。使用されている例文には、日本人作家による文章が多く用いられており、親しみやすく理解の助けとなる。ただしレトリックの全貌を語っているわけではなく、本書に書ききれなかった部分は続編とも言える別著『レトリック認識』で触れられる(らしい)。
言葉で表現をしようと考えるすべての人に、レトリックは欠かせないものだが、実際のところはほとんど顧みられることがないようにおもう。学校の国語の授業でも理論だてて学ぶことは少ないのではなかろうか。
上記の私の文章ではレトリックは使われていない。というより、今まで使おうと意識したことが殆ど無かった。レトリックまみれというのも困るが、今後は少しでも意識し、これまでの悪文を卒業するよう心がけたい。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
その他人文系(日本)
- 感想投稿日 : 2011年3月9日
- 読了日 : 2011年3月9日
- 本棚登録日 : 2011年3月9日
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