上巻では、中国共産党主席、毛沢東の死去に続く未亡人の江青ら四人組の逮捕と、その十年前に毛沢東が発動したプロレタリア文化大革命の熱狂と劉少奇の失脚を描く。今まで語られることのなかった四人組逮捕の裏側まで、細部に迫った問題作。
「過ちより、功績の方がずっと多い」──中国共産党内では現在そう認識されている毛沢東だが、彼の発動した文化大革命によって名指しで公然と批判された党幹部や「ブルジョワ階級」に属する人々はつるし上げられ、迫害、虐待を様々に受け、ついにはいのちまで絶たれる事態が後を絶たなかった。
当時の中国の実情をリアルに感じることができるが、内容からは思わず目をそむけたくなる描写も多々ある。しかし、中国という国をもっと深く知るためには、避けては通れない作品だと思う。
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カテゴリ:
日本文学
- 感想投稿日 : 2011年2月7日
- 本棚登録日 : 2011年2月7日
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