磐舟の光芒 下: 物部守屋と蘇我馬子 (講談社文庫 く 1-28)

著者 :
  • 講談社 (1996年5月1日発売)
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感想 : 2
5

大化の改新よりも何十年か前、
当時の二大勢力蘇我氏(馬子)と軍事を司った物部氏の対立。
蘇我氏の血を引く豊御食炊屋姫(とよみけかしきひめ、後の推古天皇)が
敏達天皇の皇后になった時から少しづつ権力が片寄りだす。
物部氏と蘇我氏が権力争いをする様と物部氏が滅んでいく様を描く。

この前後の物語は多々あり、
そのどれもが蘇我氏の目から見たものだ。
聖徳太子もこの物部との戦いの時の偉業が伝えられていて
それを主軸とした話にするためには物部は悪役だ。

持統天皇の物語も血の根底にある『蘇我』のために
知力を尽くすのだが大元は稲目であり、馬子である。
その後に編纂された日本書紀も蘇我系の天皇が書かせたものだ。

そう思うと守屋はどうやってもいい風には書かれない。

「火怨/高橋克彦」
「吉備真備陰陽変/片桐樹童」
「石上朝臣麻呂/黒岩重吾」などで
すっかり物部ファンになってるあたしとしては面白くない。

それをこの黒岩物部が覆してくれた♪
更に物部熱が上がった模様(* ̄m ̄)プッ

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 黒岩重吾
感想投稿日 : 2007年10月13日
読了日 : -
本棚登録日 : 2007年10月13日

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