刺激的な本だった。この先生の説から大いに刺激を受けている隆慶一郎の著作を読むときの様な興奮を読みながら感じる。同時期にニューズウィークに掲載されている「コロンビア大学特別講義」を読んだ事もその刺激をより強めてくれた様に感じる。歴史がいかに作られ、残されていくか。グラック教授の授業を読めば、この本で語られた、かつて当然のように認識されていた日本人や日本についての歴史が全く違った真実を埋もれさせていたという事がちっとも不思議ではない。網野史観は今でも議論があるというが、全く違う方向から光を当てたとき、「歴史」とされているものに起きてくる大転回は、歴史の教科書から士農工商が消える、といった程度のレベルではない。歴史は古代から作られ、様々な思惑から選んで遺され、また新しい発見がある。そしてこれからも作られていく。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2018年3月26日
- 読了日 : 2018年3月26日
- 本棚登録日 : 2018年3月26日
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