なぜ日本人は世界の中で死刑を是とするのか: 変わりゆく死刑基準と国民感情 (幻冬舎新書 も 6-1)

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  • 幻冬舎 (2011年5月1日発売)
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■永山基準
①犯行の罪質
②動機
③態様,ことに殺害の執拗性・残虐性
④結果の重大性,ことに殺害された被害者の数
⑤遺族の被害感情
⑥社会的影響
⑦犯人の年齢
⑧前科
⑨犯行後の情状
■死刑の基準の裏にある二つの基本的観点。
①「(殺人の)抜きがたい犯罪傾向」の有無
・なぜ前科の存在が死刑に結び付くかと言えば二度目であることで「抜きがたい犯罪傾向」ありと見極められるため
・二人殺害でも機会の同一性を満たす「同時型」であれば「抜きがたい犯罪傾向」が認められないということがある
・機会の同一性を満たさない「連続型」(巷間言われるところの連続殺人)の場合「抜きがたい犯罪傾向」と直結
・想定されているのは「安全な社会」であり,死刑にすることで一定程度市民の安全確保につながる
・「安全な社会という現代の日本社会の在り方と矛盾する者はその存在を社会の側から否定される」それが我々の社会であり日本という国家のかたちであるという社会の姿が念頭に置かれている
②「犯罪被害の極限性」
・「犯罪被害」を死刑判断の主要観点とするもの
・「結果の重大性(被害の深刻性)」と「遺族の被害感情」に重点を置く
・犯罪傾向というより被害者にどのようなことをしたのか,被害者の生命や尊厳に対してどのようなことをしたのかが重要になる
・被害者の立場に立ち犯罪被害を重視するということで大きな観点で見れば市民的な感覚の重視
・被害感情を満足させるために死刑が用いられている

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感想投稿日 : 2018年7月28日
読了日 : 2018年7月19日
本棚登録日 : 2018年7月19日

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