高学歴なのになぜ人とうまくいかないのか (PHP新書)

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  • PHP研究所 (2015年6月16日発売)
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感想 : 10
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■知識を得たいという願望は誰の脳にもあるが,実際に知識を得るための行動力は知識欲による動機付けの強弱によって決まる。
■前頭葉にある思考系の脳番地はこの動機付けを強める。そして知識を求め,手に入れるという過程を繰り返すことで,この部分が大いに発達していくが,太く成長し過ぎると入力と出力のアンバランスが起きる。
■前頭葉以外にある情報入力(視覚系,聴覚系,理解系,記憶系)の脳番地と。前頭葉にある自己主張の脳番地の不均衡により,「理解したい」よりも「主張したい」が強くなると自己愛過剰の状態になる確率が高くなる。
■頭がいいのに反省の仕方が分からない
■反省とは,自分の行いを振り返って考えること。この働きは脳の感情系と理解系の脳番地が司る。
・周りの人がどう思っているかという意識
・自分がどうしたいのか自分で自分を顧みるという意識
■左の扁桃体とその周囲は自己愛や自己分析,特に自己分析に関係し感情的な面から自己評価をしていると考えられる
■右の扁桃体は他人が自分をどう考えているかを理解するための非言語情報を受け取り客観的な自己評価を司る。
■反省の仕方が分からない人は,多くの場合,左右両方の扁桃体が弱いと言える。
■左の扁桃体が発達して自己分析に優れた人は,孤独感が強かったり,社会的に孤立しやすかったりする反面,右の扁桃体の能力不足を補って大過なく人生を過ごせる
■右の扁桃体だけが優れている人は,自己認識が不安定なため,思想や宗教など他人が決めた事柄への依存度が高くなったりする。多くの場合未発達な左の扁桃体を補うことに苦労する。
■最も難しいパターンは対人関係を想定することができない人。こうした人は自分と他者との距離感を保つことができないため,自分の立ち位置を言語化・文章化することができない。
■脳は眼前の状況に対して得意な脳番地で乗り切ろうとし,苦手な脳番地で対処するのを避けようとする。
■駄々をこねて我儘を通そうとする人の脳は他者理解の能力が不足している。
■脳は自分が一番強いところに依存して価値を決める。
■育っていない脳番地を使うと不安を感じ怒り出す
■整理が苦手であることと罪悪感が希薄でることには関係がある。
・言葉や物事を並べ替える
・整理整頓とはものに限ったことではなく,感情などの形にならないものにも及ぶ
■高偏差値の人は事実を突きつけられると弱い
■記憶系の脳番地に偏った鍛え方をしていると,元来,動き回ることで知識を獲得していたのに,その時間を無駄と考えて省くになるため,運動系の脳番地が発達しない。運動系の後には感情系と繋がる感覚系の脳番地があるが,高学歴・高偏差値の人にはこの脳番地が未熟な例が多い。
■感受性が鋭いから潔癖症になるのではなく感覚のインプットが発達していないから綺麗なのか汚れているのか区別がつかず不安になる。
■脳は分からないことや目新しいものに対し敏感に反応する。
■強い脳番地を生むために影となる弱い脳番地ができるのは避けられない。高偏差値を生み出すには弱いところを作らざるを得ない。
■習慣化した作業を続けると,次第に脳への刺激がなくなる。能力を高めるための生活習慣の構築が逆に能力を高めることを邪魔する。
■「脱自動化」
■苦手なことに取り組んで能を個性化する
■サヴァン症候群
■天才ほど脳がいびつ
■日本人は歴史的,文化的背景から,かなり同調圧力が高い。
■重心の移動により脳の頭頂葉がかなり鍛えられる
■二足歩行を使って仕事をしなくなると頭頂葉にある移動するために使われる脳番地が鍛えられなくなる。
■自分の脳が苦手とする分野に挑んでいく必要がある。
■脳は苦手なことを避けることに長けているが,それに挑み,自己修正する脳こそがその先に進むことができる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2015年12月19日
読了日 : 2015年12月3日
本棚登録日 : 2015年12月3日

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